消費者庁は平成23年2月21日、「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針」を公表しました。
「トランス脂肪酸」は、トランス型二重結合という特有の構造を持つ不飽和脂肪酸の総称です。
天然の不飽和脂肪酸は通常シス型で存在していますが、牛や羊などの反芻(はんすう)動物では胃の中の微生物の働きによってトランス脂肪酸が作られます。
人工的には、常温で液体の植物油や魚油から半固体又は固体の油脂を製造する加工技術である「水素添加」によってトランス脂肪酸が生成する場合があります。そのため水素添加によって製造されるマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングや、それらを原材料に含むパン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子や揚げ物などにはトランス脂肪酸が含まれています。
また、植物から油を絞る際には、精製工程で好ましくない臭いを取り除く目的で高温処理を行うため、原料に含まれているシス型の不飽和脂肪酸からトランス脂肪酸が生成することにより、サラダ油などの精製した植物油にも微量のトランス脂肪酸が含まれています。
一般に、トランス脂肪酸は食品からとる必要がないと考えられており、とる量が多いと血液中のLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が増え、一方でHDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)が減るといわれています。日常的にトランス脂肪酸を多くとりすぎている場合には、少ない場合と比較して心臓病のリスクを高めることが示されています。
■「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針」概要
1.トランス脂肪酸の定義
「トランス脂肪酸」とは、少なくとも1つ以上のメチレン基で隔てられたトランス型の非共役炭素-炭素二重結合を持つ単価不飽和脂肪酸及び多価不飽和脂肪酸のすべての幾何異性体をいう。(コーデックス委員会において採択された定義。)
2.表示方法
トランス脂肪酸の含有量の表示においては、名称及び含有量を表示する。表示に当たっては、栄養表示基準に定める一般表示事項(熱量並びにたんぱく質、脂質、炭水化物及びナトリウムの含有量)に加え、飽和脂肪酸及びコレステロールの含有量を併せて表示する。
① 名称等
トランス脂肪酸は、その表示名称を「トランス脂肪酸」とし、栄養表示基準に基づき表示される栄養成分と同様に(枠内に)表示する。
表示の順番は、栄養表示基準における一般表示事項で定められた栄養成分の次に、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸及びコレステロールの順に表示する。
② 単位
当該食品の100g若しくは100ml又は1食分、1包装その他の1単位当たりの含有量を一定の値により記載し、単位はグラム(g)とする。
③ 誤差
トランス脂肪酸の含有量表示値の認められる誤差範囲は、プラス20%とする。
3.強調表示
トランス脂肪酸に係る強調表示(「含まない」又は「低減された」旨の表示をいう。)をする場合は、以下の基準による。この場合、栄養表示基準に定める一般表示事項(熱量並びにたんぱく質、脂質、炭水化物及びナトリウムの含有量)に加え、飽和脂肪酸及びコレステロールの含有量を表示する。
① 「含まない旨」の表示
次のア及びイのいずれにも該当する場合には、トランス脂肪酸に係る「含まない旨」の表示(「無」「ゼロ」「ノン」「フリー」その他これに類する表示をいう。)をすることができる。
ア 食品100g当たり(清涼飲料水等にあっては100ml当たり)のトランス脂肪酸の含有量が0.3g未満である場合
イ 食品100g当たりの飽和脂肪酸の量が1.5g(清涼飲料水等にあっては、食品100ml当たりの飽和脂肪酸の量が0.75g)未満、又は当該食品の熱量のうち飽和脂肪酸に由来するものが当該食品の熱量の10%未満である場合
② 「低減された旨」の表示
トランス脂肪酸に係る「低減された旨」の表示をする場合には、比較対照する食品名及び低減量又は割合を表示する。
なお、食品単位当たりの使用量が異なる食品を比較対照食品とし、食品単位当たりで比較して表示を行う場合には、消費者への適切な情報提供の観点から、食品単位当たりの比較である旨を表示する。
4.分析方法
トランス脂肪酸の含有量を表示するに当たっては、別表2(AOCS Ce1h-05)又は別表3(AOAC 996.06)の方法によるものとする。
これら以外の分析方法を用いる必要がある場合には、AOCS Ce1h-05と同等の性能を有する分析方法で行うものとする。
日本環境では、健康的な食生活を応援するため、世界最大の食品検査機関であるユーロフィンと提携し、食品中のトランス脂肪酸の検査・分析を行っています。
詳しくは日本環境ホームページのトランス脂肪酸分析サイトをご確認下さい。
「日本環境の営業日誌」はブログ形式(日記形式)を採用しております。記載されている内容は掲載日当日における情報です。その後の法令改正や弊社の業務内容の変更に伴い、掲載内容から変更が生じている場合がありますので、あらかじめご了承下さい。掲載日の古い記事については特にご注意下さい。